房総釣り師の釣行記 船釣り タイトル

船釣りライフ ABU4600C サムバー ニコイチで復活!


ABU4600C サムバー折れ釣行記の「フグ釣り編その34」で書きました「フグの祟り(?)」によって愛機ABU4600Cのサムバー(クラッチ)がバキッといってしまった件ですが、そこにも書きましたけどサムバー式のクラッチ部分を壊してしまうとサムバーのパーツ交換だけで修理、とはいきません。サムバー付のリールフレームごとの交換となります。なぜなら、ABUのリールフレームは「かしめ」という、ネジなど使わない「金属同士を叩いて」固着させる方式で作られているからです。容易に分解はできません。中にはこれをトンカチでぶっ叩いて外す強者もいますが、良い子は真似しないように。失敗したら、フレームに歪みが出てオシャカになります。

とはいえ、プッシュボタン付きのメカフレームを中古で買って(昔はプッシュボタンだけが一個600円位で売っていましたが、今やオールドなので… ※右下の画像のようなパーツ)、それを取り付けるという手もありますが、やはりABU4600Cにはサムバー式のクラッチが似合うし、頻繁に底ダチを取る釣りには重宝するのです。以前はマゴチで使っていましたが、今はフグ専用。古いABUが好きなのでかなり気に入って使っていたのですけど、それがプッシュボタン…。実際、このサムバーは折れやすいようです。他社メーカーのものや、新しいABUでは壊れにくい形状になっていますが、古いABUのものは「ベロ」といわれているようにリールの後ろからペロッとこのサムバーが出ています。落としたら壊れますね。フレームのバーに付いていますが、固定部分の厚さは1mmも無いし…。

サムバーが折れたくらいで買い替えというのはちょっと…。それは最後の手段として、なんとか「ニコイチ(二つの良い所で一つを作る)」で復活できないかと考え、サムバー式の安い中古品を買ってトライすることにしました。ちょど良いサムバー式の4600用フレームとサイドカップ(何故それが必要になるかは本文ご参照)をリーズナブルな価格で手に入れられたので、それで復活を試みますが、そこには大きな落とし穴が待っていたのです。ABUはオールドといえども世代ごとに微妙な違いがあって、たとえそれが0.1mmの差でも互換性に問題が出てきます。同じような破目になった方々へのご参考にでもなればと、その四苦八苦の復活作業をご紹介します。

【ステップ1:中古パーツを合わせてみる】

●まず最初にすることは、リールをばらす事ですが、とりあえず買った中古パーツが合うか合わないか(取り付けられるか)を試してみます。新しいフレームに古いリールから取り外したパーツが問題なくつくかどうか。ちなみに新しいフレームにはサムバーが付いています。これが簡単に取り外しできたら…。
ABU4600C 修理 ステップ1
●パーム側のカップとレベルワインダー、スプール、サムレスト(掴む時、親指を乗っけるところ)は古いものから取り外して、新しい(中古ですが)フレームに問題なくつけることができました。ちなみに、サイドカップの交換が必要になるのは、レベルワインダーを回すためのギヤが、今のABUにはサイドカップの内側についているからです。元のものにはフレーム側についていました。付け替えるのは簡単です。Eリング(これ、外す時によく飛びますから気をつけて)を外すだけです。レベルワインダーは簡単にバラせます。勘でもできる位の構造。分からなければWEBで調べればすぐです。サムレストはバーに挟んであるだけです。ちなみに、黒のカップを探していたのですが、そう都合よくはありません。この際、色などは考えない。で、シルバー…。
ギヤの取り付け位置
●しかし、この時、既に嫌な予感が…。新旧のフレームの造りが違うのです。中古の交換用フレームの方はレベルワインダーとサムバークラッチの取り付け箇所が盛り上がって、ここがメカプレート側に引っかかります。パーム側は問題なかったのですが、ハンドルのあるメカプレート側の造りが違っていては、果たして取り付けられるのかどうか…。ハイ、結論から言えば、全く駄目です。作りそのものが違うのです。スプール受けの形状が別の商品かと思える位違います。メカプレートにフレームがどうやっても嵌め込めません…。四苦八苦。完全に形状が違う…。ここで第一回目の白旗が上がりかけます。

【ステップ2:フレームに嵌め込むためのメカプレート側の加工】

●しかし、この程度で諦めてたまるものですか。ここまで、フレームの形状、というかリールの造りに違いがあるとは思ってもいませんでした。同じABU4600C「ウルトラキャスト」のシリーズなのに…。まず、メカプレートのスプール受けは「かしめ」でガッチリ、メカプレートに固定されています。裏表から見ても、その構造(どこが分離できるのか)が分かりません。大雑把には外側の部分(円状)だけが都合よく取れれば良いのですが、メカプレートにつけたままでは難しい。とにかく、ここでドリルを持ち出して、この部分を薄くしてから剥がすことができないかと、とにかくチャレンジ。メカプレートの中にアルミ粉(?)が入らないようにテープをして。しかし、埒があきません。これはもう、この部分を外して見るしかありません。もうこうなったら、プレートの隙間にドライバーを当てて、トンカチでぶっ叩いて「かしめ」を外すしかありません。壊れりゃそれまでの覚悟で気合一発、オーリャーッ! 腹を括って、ガンガン叩くこと数回…。ハイ、外れました。

●このままでもフレームとくっ付ければ、動くことは動きます。しかし、そうなるとスプール側のブレーキ部分が宙に浮き、ノーブレーキ状態となります。通常はもっとコンパクトなプレートが付いているのですが…。まあ、バーチカルな船釣りでしか使いませんから、ルアーマンのように投げることもないからいいか…、と思ったのですが、バッククラッシュの確立は上がります。しかも、真ん中に空いている穴からこのプレートを完全に取ると、どうもメカの方に影響が出るようで、何故かクラッチが甘くなるのです。スプールの動きにも影響するかも。何とかするしかありません。

【ステップ3:スプール受けプレートの加工】

●しかし、何とかするとは言っても、フレームと干渉する部分をまずは取り除かなければなりません。この時点で机の上には、下の画像にあるように家じゅうの道具が集まってきました。あーでもないこーでもないと、プレートをひねくり回して考えますが、結論、ヤスリで削って成形するしかない…。多分、アルミでしょうけど、早々簡単には削れてくれません。しかも、両サイドのレベルワインダーとサムバーの部分が干渉しているだけと思っていたら、丸いプレート自体が微妙にフレームの枠全体と干渉して嵌め込めないことが分かりました。ここで2度目の白旗が上がりかけました。しかし諦めてたまるものか! ペンチとヤスリと根性でやってやらぁ!
プレートの加工
●諦めの悪いのが取り柄、とばかりにアルミのホイールの余分な部分はペンチでへし折り、後はひたすら金ヤスリで削る、削る、削る、削る…、指が攣ってきました、我慢して削る、削る、削る。なかなか思ったように成形できません。試しにメカプレートに嵌め込んでフレームとの干渉具合をチェックしながら削ります…。メカプレートに入れる時はトンカチでゴンゴン。「かしめ」てあった後を少しヤスリでこすっておくと入れやすくなります。あとは知恵も工夫も要らない作業…。ひたすら修行僧のように削る、削る、削る、削る…。メゲそう…。
プレートの成形 削る

【ステップ4:メカプレートとフレームとの調整】

●もう何時間ヤスリで削り続けたでしょう。気が滅入りますが、根気よくやれば「いつかは終わる作業」。飯を喰うのも忘れ、今が何時かも忘れ削り続けて…、やっと、やっと、やっと、プレートがフレームと干渉せずにバッチリ入るようになりました。ウレシー!!!!
アジャスト
●これで組み込める! 苦労もここで報われる! と、メカプレートに仮止めして動きを試してみます。が、思いもよらぬショック。なんと、肝心のサムバーが組み込んだ後、動かなくなるのです…。なんで…! 嘘…!。思わず、何時間にもわたる私の苦労が消し飛び、全てが無意味になるかもと覚悟しました。このプレートさえフレームに入れば、と思っていたのですが、何故、肝心のクラッチが動かない。サムバーは押せど、固着したようにウンともスンともいいません。そんな…。思わず脱力しかけましたが、物事には必ず原因がある筈。どこかが干渉している筈だから…、と気を取り直して調べてみると、少し時間がかかりましたが、何ともアホな原因にようやく気付きました。サムバー式のクラッチは、下に横に出た金属の細い棒がメカプレート内のクラッチ部分を押す構造になっているのですが、なんと、メカプレート側のその穴とフレーム側のその穴とが、0.5mmほどずれており、少し形も異なっていたのです。棒は入るがそのズレで挟まれ、上手く動かない。オイオイ、同じメーカーの同じ機種の筈なのに、ここまであちこち規格が違うのかよ…。もう対策は、メカプレートをばらしてその穴を削って拡げるのみ。メカプレートの外から削ると金属の削りカスが中に入るので、ここは手間を惜しまず、内側から。メカプレートを気持ちよくばらします。メインシャフトは引っ込抜くだけ。


【ステップ5:完成】
クス玉
●ついに、ついに完成です。サムバークラッチは小気味よくコンパクトにカチッカチッと機能します。スプールの回転もスムーズ。何もかもこれまで通りに仕上がりました。パーミング側のカップの色以外は…。これぞまさに「ニコイチ」。途中何度か諦めかけましたが、何とか「ABU4600C改」の出来上がりです。分解したついでにグリスを新たに差したので、気持ちよく回る回る。右と左のカップの色が違いますが、それがまさに「ニコイチ」の証。私的にはカッコイイ! え…、そうでもないスか…? いいんです、私の好みですから。
ニコイチABU2600C鑑賞

【ステップ6:鑑賞】
●私が使うリールは殆どABUですが、性能だけでいえばいまや国産品の方が上でしょう。しかし、すでにオールドとなってしまったこのABUのスタイル、フォルムが好きなのです。この「ベロ」式のサムバーより、ブラックマックスやシルバーマックスのサムバーのほうが造りとしては優れているでしょう。モラムや今のABUの方が造りも国産並みで、使いやすいと思います。そういえば昔、イオンなんて機種もありましたね。かつてのシマノやダイワのリールがABUを追っていたのに、いつの間にか逆転して、今やABUが国産のリールを追っているように見えます。しかし、アブガルシアといえばオヤジに取って憧れのブランドなのです。

●ABUの修理やパーツの取り付け、分解は自分でやります。メンテナンスもそれほど手はかかりません。シンプルな構造ながら頑丈で、中古のパーツもまだまだ手に入りやすい。ここまで分解したのは初めてですけど、基本的な構造は何十年も変わらずシッカリしているのに、くだらない所がシャビーだったりして、その意味では「人間的」な趣を強く感じるリールだと思います。いまだに根強いABUファン(オヤジ)がいるのは、それ故でしょう(多分)。
ABU4600C改
●今回は年代の違うABUを「ニコイチ」したので手こずりましたが、基本設計が変わっていないので何とかなりました。実はハンドル側のシルバーのカップも中古で買ったのですが、さすがにメカプレート側のカップは造りが違い過ぎて交換には至りませんでしたが(アンチリバースのパーツが無い)、これも工夫すれば何とかなるかも。どの方法が一番良かったのか分かりませんが結果オーライで、終わってみれば実に楽しい作業でした。これも、釣りの楽しさの一部なのでしょう。完成した「ニコイチABU4600C改」を肴にしての酒が実に美味かった(自己満足)。

こうした作業をする時は、くれぐれも怪我にはご注意ください。削った箇所のバリで指を切ることもあります。下手に力を入れて作業すると、道具が滑った時、例えばドライバーなどで思わぬ大怪我をすることもあります。細かい作業の時以外は軍手をして作業しましょう。

しかし、楽しいんですよね。元々、機械いじりが好きなので、初期の頃のパソコンなどもジャンクを買ってきてはあれこれやっていました。車いじりも好きでした。デジカメのニコイチで4個全滅という目にも会いました。まあ、修理(壊したものも、ある)という楽しい遊びです。いくつになっても、楽しいものは楽しい。

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