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房総釣り師の釣行記 船釣り タイトル

色々船釣り編 その16「風来坊…」



色々船釣り
船釣りを始めたころの事を考えていると、ふと、思い出したことがあります。ようやくイサキ釣りも釣果が安定し始めてきたころの事ですが、某大原で午前船が出船する1時間くらい前の事です。船の艫にクーラーを置いて車の中で仮眠していたのですが、私の車の前をウロウロしている人がいました。別に漁港ですから色々な釣り人が歩き回っているのは、特段に変な光景ではないのですが、どこへ行こうとしているのか何度も私の車の前を横切って右へ左へ、漁港内を歩いているのです。格好はカッパを着込んで長靴姿の釣り人ですから、自分が予約した船の位置が分からなくて探している人なのか、グループで待ち合わせでもして、場所を間違えて仲間を探しているのか…、と思いました。それにしても、あちこちへウロウロとしています。

まさか、車上狙いの不審者…。時々、いるそうです。釣り道具は中古で換金できるので、狙われやすく、釣り人も慣れた場所だからか、まだ薄暗いからか、油断して車にカギを掛けずに辺りを散策している人もいます。悔しい事に、私もタックルを盗まれたことがあります。余談ですが、よその漁港で聞いた話ですけど、車に乗っている釣り人に「ここは駐車料金が必要です」といって数百円づつ徴収して回っている人がいて、その漁港の常連が不審に思って船宿に尋ねたところ、時々現れる不逞の輩だそうで。要は騙して金を取っているわけですね。さすがにここでそんなのがいたら「ばかやろう」で、下手したらお縄になりますが。どこにでも、イヤなのがいます。

で、その釣り人(風の人)が気になって、仮眠が取れません。仕方ないので、タックルを持って船に向かおうとしたら、その(不審な?)人物が車から出た私に近づいてきます。…? 別に、身構えるほどに変な人には見えないのですが、その人が声を掛けてきました。「あの、すいません。どちらの船に乗られますか?」。私、「はあ…?」。自分が乗る船を告げるとこう聞かれました。「その船、釣りものはなんですか?」。「イサキですけど…」。物言いは丁寧な方でした。「その船に乗れますかね?」。

私、妙な気分になってきました。だって、乗りたけりゃ船宿に聞いてみりゃいいじゃないか。そう怪訝に思っているとその人物曰く。「ここはあまり来た事がないので」。ホント、変な感じ…。私、仕方ないので船宿(ちょっと離れたところにあります)に携帯で「じゃあ、聞いてみましょうか?」と、問い合わせてみると、ほぼ満船ながら、一人くらいならOKとの事。それを告げると丁寧にお礼を言われました。「ありがとうございます。他の人に聞いても、船宿に聞いてくれって、言われて、どこが良いのかわからなくて…」。やっぱり、変な人ですね。ホントにその日の朝、フラッと来て、慣れない漁港で乗れる船を探しているのかな…? いつもこんな感じで釣りをしているのかな…?

大抵の釣り人は自分のフランチャイズと常宿を持っていて、少なくとも初心者でも下調べをして釣りに赴くと思うのですが、その人はホント、気が向いたらテキトーな漁港でその日の朝に船を探して乗っている、って感じです。船まで案内し、右舷の後ろよりの胴の間が開いていたので「そこ、入れますよ」と言うと、これまた丁寧にお礼を言われました。

ABU10000で、それはいいとして、その方のタックルを見てちょっと驚きました。80号負荷はありそうなヘビーな竿に、なんと付いているリールがABUの10000c…。ウソ…、何釣るんだよこの人…。私、思わず、「イサキでABUの10000ですか…」と言ってしまいました。その方、笑いながら答えて曰く「僕、これしか持っていないんですよ…」。ということは竿もそうなのかな? ま、いずれにしても、私は自分の釣り座に行って、支度を始めました。私の釣り座は左舷ですので、その方の釣り座は見えません。しかし、あれでイサキが釣れるのかよ…。ヒラマサでも狙えるタックルだわ…。

その日は大釣りの日ではありませんでしたが、船中ポツリポツリで、適度に楽しめるペースでイサキが上がってきます。私も確か30匹行かないくらい程度の釣果で、一日飽きずに楽しめました。某大原のイサキ規定量は50匹ですから、まあまあの釣果です。船長がやってきて釣果を訪ねます。「30は行かなかったけど、楽しかった」と答えると、船長、親指で背中方向の右舷を指し、ゼスチャー交じりに苦笑しながら小声で言います。「向こうにすごい人がいるよ」。まあ、とんでもなく大釣りする人は大釣りしますので、珍しくは無いのですが…。

船が漁港に戻り、陸に上がる時、例のABU10000cの方と目が会いました。で、次の瞬間、ビックリ! その人の桶、イサキがビッシリ。どう見ても規定数の50匹どころじゃありません。目検で80匹近くはいます。その方、丁寧にお辞儀して「あ、今日はありがとうございました」。私、「え、いえ…」。間の抜けた返事。あのタックルでこれかよ…。ビシは船のを借りられていたようです。その方、本当に大原にあまり来た事が無いのでしょう。ここのイサキの規定数をご存じないみたい…。船長もノーマークだったのでしょう。

その方、持っていたクーラーにはイサキが入りきらず、自分の車から発砲スチロールのBOXを持ってきて、それにイサキを詰め込んでいました。用意がいい…。本当に、あのタックルだけを持って、あちこちをフラリフラリと思い立った時に釣り歩かれているのでしょうか…。そんな釣りのスタイルが特に不自然とは思いませんが、あのタックルだけを持って、もしかしたらカワハギもやっていたりして…。釣りもの別にタックルをしこたま持っている私はなんなんだ…。

それ以来、その方に出会ったことはありません。同じようなスタイルで、あちこちの漁港で船釣りを楽しまれているのでしょうか。テキトーを自認する私ですが、あそこまで自由なスタイルと言うのは真似できない…。非常に古臭いのですが「風来坊…」という言葉が頭に浮かんできました。今や死語だと思いますが…。しかし…。

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