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房総釣り師の釣行記 船釣り タイトル

色々船釣り編 その5「たった一匹のカワハギに、乾杯!」



色々船釣り
相変わらず東京湾のカワハギに翻弄されて、何をそんなに一生懸命?、と自分でも思うほどに船宿へ毎週通っていた時期があります。もしかしたら一番やっていた釣りものはカワハギかも…、です。

とにかく、ツ抜けもできぬ釣行が続き「今度こそは!」と何の根拠もない気合いだけで、その日も湾奥の黄色い船に乗りました。天気も良く、波も穏やか。本来、カワハギ釣りはこんな日が適しています。海に対して釣り人の方が主導権を取れますから。波にオットット状態ではアヤツの繊細なアタリを出せません。ま、名人は違うのでしょうが。同じような思いの釣り人が多いのか、その日も多くの客で船上は賑わっています。本来、カワハギはライトなタックルで気軽に楽しめる釣りものの筈なのですが、どうしてこうも熱くなってしまうのか。

毎度撃沈の私を不憫に思ってか、船宿の親父が超短ハリス直結タイプの仕掛けを勧めます。「これ、あんまりタタキを入れずに聞き上げてやると、アタリが分かりやすいから」とか。飛びつきました、私…。商売上手ね。
その仕掛け、殆ど幹から針が直接出ているような、ハリスと呼べるものが無い! と思えるような仕掛け。いつも必死こいてタタいている私も、今日は海況もこれだし、じっくりと聞き上げて釣ろうと決心。

ポイントにつきました。まさに絶好の釣り日和。ポイント界隈には多くの船が。私、船宿お勧めの仕掛けに、極力シンプルにすべく集器は無しで、錘も蛍光ではなくナス型のノーマルなもので第一投。着底後、思わずいつもの癖でタタキに入りそうになります。が、そこはグッとこらえて、ユックリと聞き上げて行き、落とすときはストンと。この繰り返しで数回。何のアタリもありませんが、餌をチェックするために仕掛けを上げます。悲しい事に、餌は無事です…。カワハギはいないのか。まあ、そんなにいきなりゾロゾロと釣れるものではありませんが、船中、誰かが釣り上げれば、周囲の者もやる気が出ます。しかし、そのポイントは渋々…。

何度目かの流し替え。船中、ポツリポツリといった拾い釣りのペースでカワハギが上がってきます。私、その時点でボウズ。焦り…。一匹でも上げていれば、多少気持ちも違うのに、0…です。お恥ずかしい事に、段々、オットリとした聞き上げ釣りにイライラとし始めました。餌は取られ始めているのですが、ついに仕掛けをいつものものに交換。集器を付けて蛍光の錘に。それまでの憂さを晴らすようにタタキをくれてやります。しかし、もうお昼も近い時間。何とかここで挽回と、忙しい釣りに変更。周りはポツリポツリでも釣れています。私はカワハギの給食係り…。こんなこともあるんです。でも、まだこの釣りものでボウズを喰らったことはありません。何とか数匹は上げて帰るのですが。何も来ない…。ホント、泣きたい気持ちで餌を付け替える。

あーっ! やっと、来ました! クカッと来てカカカカカッ! 上がってきたのはワッペンよりはマシな型。しかし、小さい…。が、少しやる気が出てきました。まだ1時間はある! と自らを奮い立たせます。

結果、その日の釣果はその1枚だけでした…。まあ、ボウズだけは避けられたとはいえ、情けない…。恥ずかしい話ですが、私、釣りをやってきて泣きたい気持ちになった事は何度もありますが、この時ばかりは本当に目に涙が滲んできました…。「なんで、俺だけ…」。もっとも、今日は船中渋々でしたが。いつもは釣果を確認に来る船長が来ません。そりゃそうだわな、見てりゃわかるよ…。心の中は完全にネガティブ…。

カワハギ家に帰って仏頂面。家人はその気配を感じて釣果に関しては何も聞きません。クーラーを黙って開けると、底にカワハギが一匹張り付いています。また、涙が滲みそうになります。クーラーを覗き込んで家人が能天気に言います。「あら、ボウズじゃないじゃない」。強烈なカウンターパンチ…。泣きっ面に蜂…。病人の布団を剥ぐ…。傷口に塩…。鬼っ…。

もう、飲むしかありません。片づけも適当に済まし、シャワーで目に滲んだ涙を洗い流して、とにかくビール! つくづく思いました。なんで趣味の釣りでこんな情けない気持ちにならないといけないのか…。もう、カワハギ釣りから撤退しようかな…。俺には縁のない魚だよ…。と涙酒状態。

その時家人が私の前に小皿を差し出します。「けっこう肝も身もあったよ」。見ると小皿の上にカワハギの肝和えが…。もちろん量は少ないですが、透き通った身に肝が絡んで、きれいな色。

一口食べると、なんと、なんと、なんと、至上の美味! これまでに何度も食べているカワハギの肝和えですが、その日に食した味は言葉に換えられません。美味い! とにかく今までで一番美味い!

たった一匹ですが、これだけ舌を楽しませてくれる。思わず乾杯したくなるような気持ちに。だから釣りはやめられないんです。釣って楽しい、食べて楽しい!

来週はまたカワハギだ! ボウズだろうがなんだろうが、こりゃ止められねえよ!

いささかカッコをつけるようで気恥ずかしいのですが、以前読んだエッセイに「たった一匹のアジに乾杯」というタイトルのものがあったように記憶しています。シチュエーションは似ていたような…。

気分はまさに、「たった一匹のカワハギに乾杯!」。

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